令和2年11月15日 研修

開催日 :令和2年11月15日(日)
研修内容:大久保の大杉(ボードー杉)と別宮の大カツラ 見学会
講師・案内:鳥越茂・桝岡望 樹木医
場 所 :養父市大久保氷ノ山山系、養父市別宮
参加者 :8名
(1)ホードースギ(県指定天然記念物)
道中の小代越ではレッドテータブックの兵庫県の貴重な自然に”Aランク“に指定されているウスイロヒョウモンモドキの保護区域があり、さらに進む。
氷ノ山とホードースギへの分岐場所周囲の植生を講師中心に見学する。ムシカリ、ミズメ、ブナ、スギが高木層を形成し、中層木としてアサダ、ウラジロノキ、ウリハダカエデ、タカノツメ、ミズキ、ヤマボウシ、アカシデ、ナナカマド、シナノキ、イヌシデ、林床はほとんどがチシマザサで覆われていた。
昼前にホードースギに到着した(約1時間40分)。
参加者全員で杉の周囲を観察。北側から見ると下から2mで双幹となり更に2m上がったところから8~10本に枝分かれして樹冠形成。枝の中には枯死したものもあるが、主幹の勢いは良い。ここで昼食をとる。この樹木の感想を話し合う。落雷により焼けて根本付近で空洞になっている部分があるが、腐朽はそれほど進んでおらず、あえて言えば枯れ枝落下による災害防止のため除去が望ましいこと、空洞部の腐朽もそれほど進んでおらず、早急な治療が必要とは思えない。これは交通の便が悪いため、踏圧の被害を受けなかったことが幸いしたと考えられる、などの意見が出された。ただ外観だけで腐朽程度を判断できないため、定期的な点検が必要である。
(2)別宮のカツラ(県指定天然記念物)
昼食後下山し、14:00に別宮のカツラに到着。カツラの脇を水量の多い小川が流れており、樹勢は良い。平成14年~17年にかけて”ふるさと水と土とのふれあい事業”が実施され公園となっている。カツラの株元が湧き水となっており、年間等通して安定した水が供給されている。樹高25m、株周り1553cm大小十数本が叢生している。樹勢が良いため治療の必要はないが、周辺施設が老朽化しているため修復し、多くの人が安全に観察できるようにすることが望まれる。
樹木医CPD対象

2021年02月11日