兵庫県支部・研修会など報告

日本樹木医兵庫県支部会員の技術向上を目指します

令和5年12月2日 クビアカツヤカミキリの被害拡大と防除対策を考える講演会とシンポジウム報告

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近畿地区樹木医公開講演会

開催日 :令和 5 年 12 月2日(土) 13:00~16:30
内 容 :クビアカツヤカミキリの被害拡大と防除対策を考える 基調講演とシンポジウム
場 所 :兵庫県中央労働センター 小ホール (神⼾市中央区)
参加者 :68 名(講師等含む、樹木医 28 名・一般 40 名)
主 催  ⼀般社団法⼈⽇本樹⽊医会近畿地区協議会(事務局兵庫県⽀部)
共 催  兵庫県外来⽣物対策協議会
後 援  神⼾市、明⽯市、⻄宮市、芦屋市
 公益財団法⼈神⼾市公園緑化協会、⼀般社団法⼈神⼾市造園協⼒会、⼀般財団法⼈⽇本造園修景協会兵庫県⽀部

<概要>
クビアカツヤカミキリの被害拡大と防除対策を考える
○目的
・クビアカの生態や生息環境等を理解する
・各地の被害状況や被害拡大状況を知る
・防除対策や防除法を知り、課題を共有する
・市⺠や社会への発信を考える
○プログラム
① 基調講演 13:10~14:10
「クビアカツヤカミキリの生態、分布拡大およびその対策」
講師:田村 繁明氏
 国立研究開発法⼈森林研究・整備機構森林総合研究所 森林昆虫研究領域 昆虫生態研究室
② 事例報告 14:20~15:20
・大阪府の被害と対策 木村 仁氏 堺市役所(日本樹木医会 京都府支部)
・兵庫県での対応 宗實 久義氏(日本樹木医会 兵庫県支部)
③ パネルディスカッション 15:30~16:30
(パネラー)
 ⽥村繁明 (国研)森林研究・整備機構森林総合研究所森林昆⾍研究領域
 藤⽥裕⼀郎 兵庫県環境部⾃然⿃獣共⽣課副課⻑
 ⽊村仁 堺市役所(⽇本樹⽊医会京都府⽀部)
 藤原隆之 ⻄宮市役所⼟⽊局公園緑化部部⻑
 宗實久義 ⽇本樹⽊医会兵庫県⽀部
(コーディネーター)
 伊達寛 ⽇本樹⽊医会兵庫県⽀部

 更なるクビアカツヤカミキリムシ防除を進めてゆくには、限られた予算、市町の枠組み、樹木医を含めた専門家だけでなく、行政、研究者、企業、市民団体そして何よりも市民の皆さん一人一人の力が必要であり、みんなの知恵と行動で防除に当たって行くことが必要であることが全会一致で確認され、閉幕しました。
 日本樹木医会兵庫県支部はこれからも全力でクビアカツヤカミキリムシへの対策に努めますので、皆様のご協力ご理解を賜りますようお願いします。

 クビアカツヤカミキリの被害拡大と防除対策を考えるシンポジウム報告書

令和5年10月22日 広報活動の報告

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姫路市 姫路城大手前公園で開催された「ひょうご里山フェスタ2023」に兵庫県支部として出展しました。

ひょうご里山フェスタは、“森林は県民共通の財産である”との理解のもと、本県では、公的関与による森林管理の徹底や「里山林の再生」などを「新ひょうごの森づくり」として平成14年度から独自に展開してきました。そのような中、スギ・ヒノキ人工林については、対策が充実する一方で、農村の過疎化や高齢化等により里山林を管理する担い手が一層と減少しつつあり、里山林をいかに維持管理して行くかが、森づくりにおける課題として顕在化しつつあります。
そこで、県民が里山への理解を深めるとともに、里山を守り育てる意識醸成の場として位置づけ、「ひょうご森のまつり」から「ひょうご里山フェスタ」に名称を改めて開催をしています。

開 催 日:令和5年10月22日(日)9時30分~15時00分
場   所:姫路城大手前公園(姫路市本町 68)
テ ー マ:「豊かな里山を未来へ 今、私たちができること」
コ ー ナ:樹木医の活動紹介「樹木医は木のお医者さん」
参加樹木医:兵庫県支部 5名

【展示内容】
 ・クビアカツヤカミキリ防除対策の普及啓発
 ・ 樹木診断機器の展示
 ・樹木医関連の中古図書の展示・販売
 ・樹木・庭木相談
 ・粘菌の標本の展示 ・樹木診断、治療器具展示
 

天気にも恵まれ多くの来場者が訪れていました。
日本樹木会兵庫県支部のブースにも、多くの方々が訪れていただきました。
特にクビアカツヤカミキリについては、親子連れなどに成虫の標本や穿孔の被害材を見ていただきながら、被害の実態と危険性等について説明し、腐朽啓発活動を行いました。

 


令和5年10月15日 秋季研修「巨樹巨木保全管理研修」

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開催日 :令和5年10月15日 10:00~17:00
研修内容:巨樹巨木保全管理について(現地研修と講義)
講 師 :兵庫県支部 宮田樹木医
場 所 : 兵庫県養父市大屋町樽見・朝来市八代
参加者 :20名(内、会員外1名)
○前編
 ①樽見の大桜現地研修、②八代の大ケヤキ現地研修
○後編
 ①巨樹巨木の施工法(事例)講義
○報告
 現地研修として国の天然記念物である樽見の大桜・八代の大ケヤキの現地視察の後、それらを手掛けられた宮田樹木医より、施工事例をご教授いただき、大変有意義な研修となりました。

樹木医CPD対象

令和5年5月22日 総会記念講演

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開催日 :令和5年5月14日 14:30~16:30
講演内容:菌根菌の活用について(総会記念講演)
講 師 :㈱松本微生物研究所 生物環境事業部 栗栖敏浩 樹木医
場 所 :センタープラザ西館貸会議室9号室
参加者 :38名
○前編
 ①菌根菌のこと、②菌根菌の実験、③菌根菌のはたらきと野外実証 について
○後編
 ①樹勢回復への活用、②資材について
○最後に・・・
 学術的に事実と確かめられている技術や資材を用いると共に、学術的に事実と確かめるために様々な試行することも樹木医には必要である。1人の樹木医では難しいことも数名の樹木医が協力することで可能となることも多く、菌根菌を活用する樹木医グループに加わることでも座学では得られない知見や技術を得ることができるとし、菌根菌の活用を通じ、樹木医としての心構えについてものお話も伺えました。

樹木医CPD対象

令和5年2月25日 活動 千年フジの剪定

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開催日 :令和5年2月25日
 ヘリテージマネージャー研修、樹木医研修
場 所 :大歳神社(宍粟市山崎町上寺)
指 導 :樹木医 安田邦男氏
参加者 :鳥越 茂、安田邦男、森 幸久、荒木 衛 他6名の樹木医
内 容 :フジの冬季剪定
目 的 :千年フジの剪定を実施
本研修は平成26年より継続して実施しています。
今回は兵庫県支部の安田邦男樹木医が講師となり実施しました。
1) フジの剪定実践
 講師の安田樹木医が千年フジ保存会のメンバー(約 20名) を含め全員に今年のフジの状況について説明。 全体に花芽が小さくこれまでと同じ剪定方法を行うと花芽がなくなってしまう恐れがあるので、長く伸びたツルのみ先端を少し切る程度に 止めるよう指導。樹木医は作業台に上り短枝(花芽が付きやすい)を元気なつるに 付ける 方法に挑戦しました。 作業後 各自の剪定枝にはナンバーテープをつけ来年結果を見ることができるようにしました。
2)フジの管理法について
 社務所で行った座学は鳥越樹木医が担当しました。令和 3 年と 4 年に行った剪定結果についてパワーポイントで説明し、目的通りの結果にならなかったものについては 、その原因と今後の取り組み について全員で検討しました。
 屋外では 近年千年フジの葉色が悪い原因は根系の伸長不良にあるのではと考え、スノコをめくり根系を調べました。千年フジの周りを取り囲んでいる玉垣が根系の伸長を阻んでいる 可能性があり 、 地表面に出ている根系を玉垣から外に出す方法について 検討し 、 令和 5 年度の研修で実施を目指すことになりました。
報告:鳥越

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